その時、俺は自分の目を疑った。

目の前の光景は、自分には到底信じがたいものだったからだ。




お前は俺の所有物




今日はくだらねぇ仕事を片付けるために出かけただけだ。

ここから出かけるのに唯一の手段、海列車に乗って任務へと赴く。

いくら弱いとは言え、長官の命令とあらば仕方がない。

今日に限って、俺しか空いている人間がいなかった…ただそれだけのことだった。



「…任務終了」



とある町のとある人間を2人ばかり片付けるなんざ、簡単すぎて張り合いがねぇ。

こんなつまらない町に長居は無用とばかりに、司法の島へと帰った。




機嫌の悪さがいつも以上の状態で帰ってきたからか、いつもなら煩く労う長官も言葉少なげだ。

まぁ、くだらない話をされ続けるよりよほどいいが。



自室に向かおうと足早に進む俺の耳に、なにやら騒がしい声が聞こえてきた。

「あれは…?」

「ああ、酒盛りだ。ほかのやつらも帰って来てんだよ…。そーだ!お前も来いよ!!」

「は…?」

長官は、さも名案だとばかりに俺を広間へと引いていく。

振りほどいてもいいのだが、それをやるとまたギャーギャーと煩いのだろう。…仕方なしに俺は長官に従った。



広間に着くと、俺は自分の目を疑った。

それは、ちょうど馬鹿犬がカクに口付けているところだったからだ。



「ん〜…」

「ちょっ、何しとるんじゃ!」

べりっと、自分にのし掛かる酔っ払いを引き剥がすカク。

「ジャブラ…お前、呑みすぎじゃ」

「のみすぎぃ?んなわけねぇらぁ…」

「んっとに………ってルッチ!?Σいつ帰ってきたんじゃ??」

「今帰ったところだ…」


俺に気付いたカクは、半ば青ざめていた。

よく見ると、長官やフクロウ、クマドリ、ブルーノ、カリファも凍り付いたように固まっている。

これだけ殺気だっているんだ、そりゃ気付く…



「ろーしたんらぁ??」



前言撤回。約1匹、全く気付いてない馬鹿がいた。

がば…っ!

「ちょ…っ!?らりすんだよっっ!」

俺はその馬鹿を担ぎあげると、優雅に長官に尋ねた。

「コレをお借りしても?」

「え!?あああああぁぁあ、ぜ、全然問題ねぇよ!な?」

コクコクコク!

その場にいた全員が面白いように首を立てに振った。


「では、失礼…続きを楽しんでくれ」


俺は足早にその場を後にし、自室へと向かった。




ボス…ッ

「うわ…っ」

部屋に着くや否や、俺は担いでいたものをベットへと放った。

「どういうつもりだ?」

「ほへ…?」

すっかり出来上がったジャブラの上に圧し掛かると、耳元で低く囁く。

ジャブラは分かっていないのか、意味をなさないことしか言わない。



ふざけやがって…



頭にきたその勢いで、俺はジャブラの唇を自分のそれで塞いだ。

「ん…んぅ……う…むぅ……んっっ」

塞ぐだけの生易しいものでは気が済まず、濃厚に舌を絡める。

ジャブラの舌は、強い酒の味がした。



「は…っはぁ…っ……って、Σるっち??」



口を離してやると、空気を取り込みながら、やっと俺に気付く。

ここからが肝心だと、俺はこいつの両手を片手で纏めあげた。

「っ…!?」

「お前、さっきは何をしていたんだ?」

「おま…なに…いって」

「どうしてカクにお前からキスしていたんだ、と聞いている」

「!!!」

「答えろ」

手に加える力を増やすと、ジャブラは痛そうに眉を寄せた。


「べ…つに…」

「ん?」

「かんけ…ねぇじゃん、おまえにゃ」

それを聞いた瞬間、何かが音を立てて切れた。

本当に、どうしてくれようか、この馬鹿犬を。

纏めていた両手を自分のネクタイで縛り上げ、目の前の馬鹿から衣服を剥ぎ取った。




「てめ…」

「嫌なら抵抗するといい」

もっとも、そんなことさせる気はないし、今のコイツじゃ碌な力は出せない。

「や…めろ…ぉ…あっっ!!」

前戯もそこそこに下腹部に手を伸ばしてやると、甲高く悲鳴が上がった。



そう、コイツが啼いていいのは、俺の前だけだ。



「もっと啼いてみせろ、お前は俺の所有物だろう?」

そう低く笑って、俺は目の前の獲物を味わうべく、その肌に牙を立てた。

FIN






(この先はギャグタッチです。上の雰囲気が壊れる可能性高いです)



カリファ「はぁ、びっくりした」(いきなり帰ってくるんだから)

スパンダム「本当、心臓が飛び出るかと思ったぜ」(誘ったのは俺だけどさ…)

カク「一番怖かったのはワシじゃい!」(どん!と机を叩く)

ブルーノ「まぁ、何事もなかったし」(どうどう…とカクを宥める)

カリファ「確かに、アナタにジャブラが抱きついてるの見て、すごい顔してたものね」(ぶるぶると思い出して身震い)

フクロウ「チャパパ、般若みたいだったぞっ」(これ、言いふらしてもいいかな??)

クマドリ「よよいっ、ここぁ一つ、オイラの切腹で謝罪を…」(みんなが揉めるならオイラが一肌っ)

カリファ「しなくていいから」(ジャブラと、私が止めないといけないのよね…面倒)

スパンダム「ナイス、ツッコミ!」(親指、グッ!)

カリファ「セクハラです」(眼鏡、クイッ!)

スパンダム「受け答えしたからっ!?」(がぼーん、と落ち込みモーション)



ネロ「シャウッ、ただいまっしょ!」(ガチャっと元気に帰宅(笑))

カク「おお、今帰ってきたんかい…(ボソ)まぁ、悪運の強い…」(このエセ白っ子もどきがぁ!)

ネロ「シャウッ???」(何かあったっしょ?ってかカクさん怖い…ぶるぶると怯え)

フクロウ「ルッチとジャブラの痴話喧嘩だーチャパ!」(こりゃネタになるチャパパ!)

ネロ「そりゃ怖いっしょ」(見たくないっしょ、そんな衝撃映像)

カリファ「ふふ、そうねアナタだと×××が///して○○○されちゃう程度のことよ」(しれっとワンブレスで)

ネロ「それ、笑い事じゃないっしょ!」(ぶるぶる→がたがた震えに変更)

ブルーノ「そんなに怯えんでもいいだろう…」(別にあの顔見た訳じゃないし)

スパンダム「カリファ、おまえ完璧にSなんじゃ…」(しれっと放送コードに挑まなくても…)

カリファ「セクハラです」(眼鏡、クイッ!)

スパンダム「意見したからっ!?」(ががぼーーんっと落ち込みモーション)

ネロ「長官、カリファさんの豊満ボディはSじゃ無理っしょ!!」(バンバンとドアを叩き)

カク「サイズの話じゃないわぃ」(ナニを興奮しとるんじゃか)

クマドリ「よよい、ところでジャブラは大丈夫かぁ!?」(心配…)

カク「大丈夫じゃないじゃろな」(当然とばかりに胸張りモーション)

カリファ「明日はそろって欠勤…っと」(帳簿にメモメモ)



エニエスロビーは今日も以上なしっっ☆